ビカクシダ(コウモリラン)を育て始めて最初に驚くのが、株元の丸い葉(貯水葉)が茶色く枯れたように変色することです。結論から言うと、貯水葉が茶色くなるのは多くの場合「正常」で、心配いりません。そして茶色くなっても切り取らないのが鉄則です。
この記事では、ビカクシダの2種類の葉(貯水葉・胞子葉)の役割と手入れ、「正常な変色」と「危険なサイン」の見分け方をまとめます。
ビカクシダの葉は2種類ある

| 貯水葉(ちょすいよう) | 胞子葉(ほうしよう) | |
|---|---|---|
| 見た目 | 株元を覆う丸い葉 | 上や前に伸びる、鹿の角のような葉 |
| 役割 | 水分・養分をため、根を保護する | 光合成・胞子をつける |
| 茶色くなる? | 古くなると全体が茶色くなる=正常 | 古い葉が役目を終えて枯れるのは正常 |
| 切ってよい? | 切らない | 完全に枯れて自然に取れそうなものだけ |
貯水葉が茶色くなるのは「仕様」
貯水葉は、緑のまま一生を過ごす葉ではありません。展開してしばらくすると全体が茶色く枯れ込み、そのままスポンジ状の層になって株元に残ります。この茶色い層が水分と養分をため、根を守る「天然の鉢」として機能します。
- 茶色くなった貯水葉は切り取らない——株の保水力・保護層を自分で剥がすことになります
- 新しい貯水葉は、古い貯水葉を覆うように交互に展開します(左右交互に出ることが多い)
- 「茶色い部分が増えて見た目が悪い」と感じても、その上に次の貯水葉がかぶさっていくので心配いりません
胞子葉の基本
- 鹿の角のように伸びる葉で、光合成の主役です。品種によって、立ち上がるもの・垂れ下がるものがあります(→品種図鑑)
- 成熟すると葉の裏に胞子嚢(茶色いパッチ)が付きます。これも病気ではなく正常です
- 古い胞子葉が黄色→茶色になって枯れるのは新陳代謝。付け根が自然に外れるまで待ってから外します
星状毛(白い粉)は拭かない
葉の表面にある白い粉のような毛(星状毛)は、乾燥や強光から葉を守る大事な組織です。汚れに見えても拭き取らないでください。一度取れると戻りません。白い綿状の塊が「動く・増える・ベタつく」場合だけは害虫(カイガラムシ)を疑います(→害虫対策)。
成長点だけは絶対に守る
株の中心にある成長点(新しい葉が出てくる一点)は、ビカクシダの心臓部です。
正常?危険?見分け早見表
| 状態 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 貯水葉が全体に茶色くなった | 正常(役目を終えた状態) | 何もしない。切らない |
| 古い胞子葉が1枚ずつ枯れる | 正常(新陳代謝) | 自然に外れるまで待つ |
| 葉裏に茶色いパッチ | 正常(胞子嚢) | 何もしない |
| 新しい葉が黒く変色・柔らかい | 危険(根腐れ・蒸れ) | 原因対処へ(→トラブル診断) |
| 成長点が黒い・ブヨブヨ | 危険(重症) | 至急対処(→根腐れの対処) |
| 葉全体が急に白茶色にパリパリ | 葉焼けの可能性 | 置き場所を見直す(→葉焼けの対処) |
まとめ
- ビカクシダの葉は貯水葉と胞子葉の2種類
- 貯水葉が茶色くなるのは正常。切らない——保水と根の保護がその役目
- 白い粉(星状毛)は拭かない
- 成長点が無事なら株は生きている。逆に成長点の黒変は危険サイン
葉の様子から不調の原因を探すときは、症状別のトラブル診断をどうぞ(→トラブル診断)。



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