結論から言うと、「コウモリラン」と「ビカクシダ」は同じ植物です。学名 Platycerium(プラティケリウム)の和名・流通名が2つあるだけで、どちらで呼んでも間違いではありません。園芸店では「コウモリラン」、愛好家の間では「ビカクシダ」と呼ばれることが多い、という温度差があります。
2つの名前の由来
| 名前 | 由来 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| コウモリラン | 垂れ下がる葉がコウモリの翼に見えることから。「ラン」と付くがランの仲間ではない | 園芸店・ホームセンターの売り場表記に多い |
| ビカクシダ(麋角羊歯) | 葉の形を麋(び)=大鹿の角に見立てた名前。「シダ」の通りシダ植物 | 図鑑・愛好家・専門店。分類として正確 |
| プラティケリウム | 学名 Platycerium。ギリシャ語で「平たい角」 | 品種名表記(P. bifurcatum 等) |
つまり「ラン」ではなくシダの仲間なので、名前としてはビカクシダのほうが実態に合っています。このサイトでも基本は「ビカクシダ」表記に統一しています。
ランじゃないの?——育て方への影響
シダ植物であることは、育て方にそのまま効いてきます。
- 花は咲きません。増えるのは種ではなく胞子(葉裏の茶色いパッチ)です(→胞子培養)
- 土に植える植物ではなく、樹木に着生する植物。だから板付けという独特のスタイルで育てます(→鉢植えと板付けの違い)
- 株元の丸い葉(貯水葉)と、角のように伸びる葉(胞子葉)の2種類の葉を持ちます(→貯水葉と胞子葉の見方)
売り場での見分け・買い方
ホームセンターで「コウモリラン」の名札で売られている小さな株は、ほとんどがネザーランド(またはビフルカツム)という丈夫な入門品種です(→ネザーランドの育て方)。名札に品種名がなくても、まずこれと考えてほぼ間違いありません。購入場所や相場はこちらにまとめています(→どこで買う?購入ガイド)。
よくある勘違い
| 勘違い | 実際 |
|---|---|
| ランの仲間だから胡蝶蘭と同じ管理でいい | シダ植物。管理はまったく別物 |
| コウモリランとビカクシダは別の品種 | 同一植物の別名 |
| 「ビカクシダ」という1つの品種がある | Platycerium属の総称。世界に約18の原種+多くの栽培品種がある(→品種図鑑) |
「コウモリラン」を通販で見てみる
売り場で「コウモリラン」の名札が付いているのは、こうした入門品種のポット苗です(→どこで買う?購入ガイド)。
リンク
まとめ
- コウモリラン=ビカクシダ=Platycerium。全部同じ植物
- ランではなくシダ植物(花は咲かず胞子で増える・樹に着生する)
- 売り場の「コウモリラン」はほぼ入門品種ネザーランド
- 育て方の全体像はこちらから(→ビカクシダの育て方【完全ガイド】)



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